エヌエムシイ税理士法人は、2002年に東京都中野区に事務所を設置し、新規顧客拡大のための営業活動を最重点課題としていました。様々な営業手法の結果、1年間で209件の新規契約を獲得することができましたが、新規契約に比例して増加する業務が処理できず、お客様への税務会計サービスの提供には苦労の連続でした。日を追うごとに仕事が溜まっていき、残業体質になっていったのです。改善するために、どういう人材を採用すればいいのか、あと何人採用すればいいのか、そんなことばかり考えるようになっていきました。しかし、その発想をしているうちは、苦境から抜け出すことはできなかったのです。
人材採用で失敗を繰り返す一方で、様々な事情で常勤できない会計事務所経験者の存在に気付きます。そこでクラウドを導入した「在宅スタッフ活用」の可能性に着目しました。これまで「担当者しか知らない」「担当者しかできない」と考えていた仕事を、常勤できない会計事務所経験者に「在宅スタッフ」として分業してもらうことにしたのです。しかし、その運用においても様々な問題が発生し、それらを一つずつ対処していきました。
その他にも試行錯誤を繰り返すことで運用が軌道に乗り、職員の業務負担が減りました。負担の軽くなった職員は顧問先へ付加価値の高いサービス提供が可能になりました。また、在宅スタッフ活用の仕組みが職員の在宅勤務にも応用され、多様な勤務体制がとれるようになりました。